IT導入補助金の活用について
『補助金(IT導入補助金等)」の活用は結果にコミットが必要です。
皆様、こんにちは。代表税理士の渡辺です。
昨今は中小企業や小規模事業者様向けに様々な補助金や助成金がありますね。
補助金は国や自治体の政策目標(目指す姿)に合わせて様々な分野で募集されています。
今回はその中の「IT導入補助金」についてお話させていただきます。
IT導入補助金とは?
IT補助金ってどのような補助金?
皆様は「IT導入補助金」を一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
こちらの補助金は、
《自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで業務効率化や売上アップという経営力の向上を図ることが目的となっています。》
2022年も継続的に申請を受け付けており8月8日月曜日に通常枠(A・B類型)の4次申請の締め切りとなりました。
次回5次申請は 9月5日が締切となり6次締切(10月3日)までが予定されております。
↑クリックで外部サイトにアクセスされます。
国を挙げてのデジタル化推進の波により今年は通常枠に加えて「セキュリティ対策推進枠」や「デジタル化基盤導入枠」が追加されているホットな補助金です。
是非一度、公式サイトをご確認ください。
国税庁も…
弊所の管轄庁である国税庁においても
「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション₋税務行政の将来像2.0」
など「国民にとって利便性が高く、かつ適正・公平な社会の実現に貢献していきたい」との表明をしています。
国の大方針に従って私たち中小企業もIT化に舵を取る必要がありますがその際に活用したいのが「IT導入補助金」ですね。
IT導入補助金の申請
申請するためには…
IT導入補助金を申請するためには「IT導入支援事業者」のサポートが必須です。
「どのような取り組みのために、どのようなシステムを導入するか」
支援者のサポートを受けつつ、「要件」に沿った申請書の作成が必要です。
「要件」とは…
申請のための要件は以下の通りです。
〇 補助事業実施の結果労働生産性が1年で3%、3年で9%上昇すること
労働生産性:粗利益(売上―原価)÷(従業員数×一人当たり勤務時間(年平均))
〇 賃上げ目標 年率1.5%または1%(社会保険任意適用の場合)
〇 事業場内最低賃金を地域別最低賃金+30円以上
※B類型の場合は3年間の事業計画を策定して従業員へ表明することが必須です。
補助金受給のためには「上記の要件を達成します!」の意思表示が必要なのです。
採択率は類型によって異なりますが50%程度の水準を維持しており比較的採択されやすい補助金となっているようです。
さてその後は…
申請後めでたく採択された後は、補助事業を行いご希望のITツールを導入します。
その後は、補助事業開始以降3年間にわたり「事業実績報告」の義務があります。
申請時に公約した各種目標が達成できているかどうか…
もし達成できていなければ…
申請の際に掲げた労働生産性向上や賃上げ目標に到達できなかった場合は補助金の返還を求められる場合がございます。また、早期の解約の場合は必ず返還となります。
採択されて実際の金額よりも安価で導入できることは大変嬉しいことです。
しかし、その後の経営状況が目標どおりに進まなければ補助金返還対象になります。
それでは結果的には「定価購入」と同じことです。
他の補助金でも「目的未達による返還」は同様に存在しております。
大切なことは、
《採択&導入を目標とせず、「結果にコミットする」》ことなのです。
最後に
IT化の波は税務だけでも「消費税インボイス制度」「電子帳簿保存法」「電子申告の義務化(現在は大企業のみ義務化)」など次々に電子化を求められる制度があります。
今後もIT化の流れは進んでいきます。
補助金を正しく活用しながら時の流れに合った会社経営がオススメです。
まだご検討されていない皆様は一度ご検討されるのはいかがでしょうか。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。