勘定科目事典(役員貸付金・役員借入金)
お金のやりくりについて~役員貸付金と役員借入金~
皆様、こんにちは。
代表税理士の渡辺です。
今回は「会計事務所のススメ」ではなく、
経理担当の方ならよく見られている「勘定科目」について各回に分けて紹介・説明させていただきます。
皆様が「困ったときに役に立つ」
そのようなものになれば幸いです。
◎役員貸付金とは?
会社が役員に貸しているお金です。
実際にお金を貸し付けている場合以外にも、「経費の忘れ物」や「役員報酬の金額以上に会社から引き出したお金」などの場合もあります。
対金融機関
役員貸付金が決算書上にある場合に金融機関で融資を申し込むと…
《金融機関に資金を借りるより、まずは役員貸付金を返してもらってください。融資はそれから!》
なんてことも…
金融機関の立場からすると「お金の流れ」をチェックしていますので、決算書上のこのような科目は一番に目に付く項目であるため申込する側も日頃から気をつけるポイントです。
対税務署
税務調査の時に…
《貸したお金には利息を取って下さい。それも会社の収益となりますので会計に計上して下さい。》
こういった指導も…
税務署の立場からするとこのような「収益漏れ」は決算書だけでも指摘できる項目となります。
役員貸付金を発生させないようなお金の管理が大切です。
◎役員借入金とは?
会社が役員から借りているお金です。先ほどは逆パターンですね。
会社の資金が足りなくて社長が会社にお金を入れている場合です。
これは金融機関側からすると「社長が会社に投資している状態」ですから、先ほどの役員貸付金と比べると悪い印象は少ないです。しかし、「個人からお金を借りて営業活動を行っている」となりますと金額や借入頻度にもよりますが、経営が安定していないと言えるでしょう。
また中には、永く会社を続けていると役員借入金が何千万円にもなっている会社様も時折見られます。
そのような状態で万一社長がお亡くなりになられたら…
役員借入金の何千万円が相続財産となり相続税が発生してしまう場合もあります。
でも会社にはそれを賄うお金が残っていない…
◎最後に
会社と役員様の間での経費以外のお金のやり取りは思った以上に周辺に影響を及ぼすので気を付けていきたいものです。